那智の扇祭り(那智の火祭)
那智の扇祭りは扇神輿12体を大松明12本でお清めする行事です。扇神輿は水の霊たる那智の滝の姿を表し大松明の火でもって清め、さらに打松という「水しぶき」の形をしたもの即ち水の精を表したもので神霊を振い起こす神事で飛瀧神社(那智の滝)の前で行われます。

那智の御滝「飛瀧神社」
那智の奥、大雲取連山から流れ出ている流水が大滝となっており、全山に那智48滝と申すように数多の滝があり、一番高いのが那智の滝で、一の滝とも申し高さ133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さ10m以上であります。

この滝の上流には二の滝、三の滝があり国の名勝となっており総称して那智の大滝と申します。また、下流には滝修行で有名な文覚滝があります。流下する水量は普通毎秒1トン程度といわれます。御滝そのものを熊野那智大社の別宮飛瀧神社と申し大己貴神(オオナムチノカミ)としてお祀りしております。

水は命の母と申し、那智山信仰の根本であり古来延命長寿の信仰が篤く数多の滝修行者や参拝の人々が詣で、今日も、この御滝の水は長生の霊水として尊ばれています。

この付近一帯は吉野熊野国立公園特別地域であり、那智の大滝は国の名勝、付近の山は那智原生林として国の天然記念物であり、高浜虚子は「神にませばまことうるはし那智の滝」と詠んでいます。

那智の扇祭の御火行事はこの参道で毎年7月14日(午後2時頃)に斎行されます。

烏牛王
俗におからすさん、または千羽烏とも申し、この神符烏72羽を以て神文を書き、熊野詣での印として受けて帰り、家々の神棚や入口などにお祀りするもので、悪魔退散、結(むすび)の熊野権現の信仰を古来より伝えており起請文に用いられていることなどで有名であります。

例大祭
7月14日(晴雨にかかわらず)
10時 御本社祭典
14時 御火行事
15時 環御

(2017/11/11 シンポジウム「熊野那智信仰の真随」提供資料より)